獅子座をさがす
?マークを裏がえした形にならぶ星々が、獅子座の目じるしで
百獣の王ライオン(獅子)の頭から胸をさします。
胸のところに明るく輝く星は1等星のレグルスです。
そこから東の空へ、台形に星がつづくところが、ライオンの胴体
にあたり、しっぽに輝く2等星デネボラは うしかい座のアークトゥルス
乙女座のスピカと ともに「春の大三角」を形作ります。
星座図の向きに見える時期
★ 12月中旬・・・・・5時
★ 1月中旬・・・・・3時
★ 2月中旬・・・・・1時
★ 3月中旬・・・・23時
★ 4月中旬・・・・21時
★ 5月中旬・・・・19時
スポンサーリンク
解説
紀元前1900年ころ、バビロニア時代には、おおいぬ座として
知られていましたが、紀元前600年ころの新バビロニア帝国時代に
獅子座となまえが変わったようです。
トレミーの48星座の1つであり、黄道12星座の1つでもあります。
形の整った分かりやすい星座で、?マークを裏返した形にならぶ
星々が獅子座の目じるしです。
この星のならびは、ヨーロッパで使われれいる、草刈り鎌に形が
似ていることから、「獅子の大鎌」と呼ばれています。
獅子座ものがたり
ネメアの森のライオン
ネメアの森に、いつの頃からか人食いライオンが棲みつき
村人や通りがかりの旅人を襲っていました。
それで、退治に向かった勇者の誰ひとりとして戻ってきません。
実は、このライオン 怪物テュフォンの子どもで、巨大なうえに
その皮膚は鉄よりも硬い怪物だったのです。
この話しが、ティリュンスのエウリステウス王の耳にはいり、
王のもとには、自分の妻子を殺害した大罪を償うためゼウス神の
命(めい)でヘラクレスが身を寄せていました。
「罪の償いには、ちょうどよい」
と、王はヘラクレスにこの怪物退治を命じたのです。
ネメアの国にたどり着いたヘラクレスは森の中を案内してくれる
人間をさがしましたが、森の近くの住人はみんなライオンに
襲われてしまっていて、土地を知る人間を見つけることが
できません。
しかたなく、ヘラクレスは、一人で森の中へと入っていき、
それから、20日間くらいネメアの森をさまよったヘラクレスは
ある日の夕暮れ、やっと、さがしていたライオンに出会いました。
ライオンは 今 人を食べてきたばかりなのか、その口は真っ赤に
染まっていました。
ヘラクレスはライオンに何本もの矢を射かけますが、ぜんぶ
弾きかえされ、「余裕である」といいたげに、ライオンはあくびを
しています。
つぎに、剣をぬいて斬りかかりましたが、まるで その剣は紙で
できているかのように、ひらひらと風になびいてしまいました。
こうなっては仕方ないと、ヘラクレスはこん棒をふり上げると、
渾身の力を込めてライオンの頭を殴りつけました。
バン!と、鈍い音とともに、こん棒は真っ二つに折れてしまい、
ライオンはびくともしません・・・それどころか、再三の攻撃に
怒って ものすごい勢いでヘラクレスに襲いかかってきました。
とっさに身をかわし、ライオンを素手で押さえつけたヘラクレスは
3日3晩、ライオンの首を絞めつづけて、ついに撃退することが
できました。
このようすを見ていたヘーラ女神は、ヘラクレスを相手によくぞ
闘ったと、この人食いライオンを星座にしました。
なぜか?
それは、ヘーラ女神はヘラクレスを憎んでいたからです。
こうして、獅子座が誕生しました。
そのご、ヘラクレスは、鋭い人食いライオンの爪をつかって、
ライオンの皮をはぎ、そして矢も剣も通さない皮を鎧として
身体に巻き、ライオンの頭は兜として身につけました。
その後、ライオンを退治して帰ってきたヘラクレスをネメア
の人々は大歓迎して、手厚いもてなしと称賛を受けたヘラクレスは
意気揚々とティリュンスへと帰っていきました。
この話しを聞いたティリュンスのエウリステウス王は、震え上がり
ヘラクレスはとんでもない力をもっていることを初めて
知ったからです。
ヘタなことをいって殺されてはたまらないと思った王は、
鍛冶屋に命じて頑丈な「壺」を作らせ、ヘラクレスがやってくると
聞くとその中へ逃げ込んでしまいました。
そして、以後は ティリュンスの王宮に入ることを許さず
命令は使者を通じてヘラクレスに与えるようになったといいます。
スポンサーリンク