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くすりになる食材 野草たち

投稿日:2017年5月4日 更新日:

焼け野原に芽吹いた最初の薬草

蕺草(ドクダミ)

 効能 

腫れ物・肌荒れ・水虫・鼻づまり・便秘・利尿・整腸・できもの

ドクダミ科  採取 5月~7月

 

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ドクダミには戦後、広島の人たちが命をつなぐために心のささえとし

飲みつづけたという話が残っています。

 

原子爆弾が落とされたあと。広島では被ばくの影響により、つぎつぎと

いのちが失われていきました。

 

情報も医薬品も不足していたころ、誰も対処できずその知識もありません。

そんな中、焼け野原となった広島の地に芽吹いた最初の植物が、ドクダミ

だったのです。

 

その後から、さまざまな植物が育ちはじめたのをみた医師たちは、ドクダミ

に放射性物質を分解する力があるのではないかと考え検証して、どろどろに

煮たドクダミの葉や、乾燥して煎じたドクダミ茶を飲むよう患者にすすめた

といいます。

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広島の人々は、わらにもすがる思いでドクダミを飲みつづけた結果、

因果関係は不明ですが、ドクダミのおかげで生きながらえたという証言が

おおく残されています。

 

人が生きようとする力や治そうとする力を引きだしたという点では

焼け野原から最初にでた ドクダミは「最良の薬草」といえるのでは

ないでしょうか。

「蕺草(ドクダミ)」の画像検索結果

 

さて、ドクダミといえば、わたしたちの鼻を刺激する臭いが思いだされ

ますが、その 刺激臭にふくまれる成分、「デカノイルアセトアルデヒト」

は、カビの発生をふせぐ抗菌性をそなえています。

 

だからこそ、先人は腫れ物、できもの、水虫の特効薬としてあぶった葉を

傷口にはりつけたり、葉っぱの汁をつけたりしてきたのです。

 

また、生の葉っぱを鼻の穴に詰めこんで鼻づまりを改善するとし、蓄膿症

をわずらった人々がとくに頼りにしていたそうです。

 

かつては「しぶき」とよばれ、ドクダミという名がついたのは江戸時代に

なってから「毒を矯(た)める」=毒を矯正する が語源であり できもの

や腫れと治してくれるというのがドクダミの名だったのです。

 

そのほかにも「十薬」といい10の効能があると親しみがある草でした。

 

江戸時代も後半になると、ドクダミの薬効を直接 摂り入れようと

葉を煎じた「どくだみ茶」を薬として飲むようになります。

 

葉には利尿作用のほか、便をやわらかくしてくれる成分がふくまれている

ため、便秘をはじめとする胃腸の調子が悪いときなどに「毒下し」として

飲用され、いまでも健康茶としておおくの人に飲まれています。

 

 薬効にあやかる 

⚫ ドクダミの青汁・・・・水虫 

  デカノイルアセトアルデヒドが水虫の原因菌に効く。

  葉をすりつぶしてガーゼにつけて20分間 放置する(毎日)

 

⚫ ドクダミ茶・・・・便秘・肌荒れ

  乾燥させた葉を煎じる、市販のものでもよい。

こちら 

 

お母さんをいたわってくれる春の野草

蒲公英(タンポポ)

 効能 

催乳(さいにゅう)・冷え性・利尿・胃を丈夫にする

キク科 採取 3月~4月

「タンポポ」の画像検索結果

 

春を彩る 代表的な野草です。市街地の道ばた、あぜ道、じゃり道

野山・・・どんな場所でも鼻を咲かせる生命力をもっています。

 

わたしたちは、タンポポを野菜、そして薬草として活用してきました。

 

さかのぼる平安時代、貴族は春さきの貴重なビタミン源とし、江戸時代

の医学書「食用簡便」は血のめぐりをよくし、便秘を解消し、熱を下げ

腫れを治す、洗ったあと味噌汁の具材として煮る・・薬草として紹介

しています。

 

タンポポの力を生活にとり入れてきたのは、日本だけではありません。

 

ヨーロッパでは、サラダやスープにひんぱんに食べられていて、

ビタミンA、ビタミンB2、Cをバランスよくふくむ葉や茎は、ほかの

緑葉野菜にもひけをとらないほど、栄養がある野草なのです。

 

また、カリウムが多く、よぶんな水分や老廃物を尿といっしょに

からだの外へだしてくれます。

 

ちなみにフランスでのタンポポの別名は「おねしょ草」といいます。

 

ほかにもタンポポには胃腸の調子をよくしたり、炎症を鎮めたりと

いった効能がありますが、とくに注目したいのが「母乳の出をよくする」

力です・・・江戸時代 母乳の量に悩む母親たちは、乾燥させた根を

煎じる「タンポポ茶」を飲んでいたと記録されています。

 

タンポポの根は 女性ホルモンのバランスを調える成分が入っていて、

「催乳効果」があるからです。

 

また苦味成分で、タラキサステロールという物質が血液の中性脂肪を

へらし、サラサラとした理想的な母乳をつくってくれます。

 

19世紀、ティーよりもコーヒーのほうが好まれていたアメリカでは

乾燥させた根を焙煎し、香ばしさを引きだした「タンポポコーヒー」が

誕生し、カフェインをふくまない健康飲料としてあっという間に世界中に

広がりました。

「タンポポコーヒー」の画像検索結果

 

いまでは、良質な母乳を子どもにあげたいという思う姙娠中のおかあさんや

出産後のおかあさんのからだを支える飲み物として、抜群の知名度と実力

を誇っています。

 

 薬効にあやかる 

⚫ タンポポ茶コーヒー・・・・催乳・冷え性

  根を乾燥させて煎じる。乾燥させた根を焙煎して飲む。

  作り方

   開花前の根と葉っぱを浄水であらい、3日間陰干しする。

   よく乾燥したら 細かくきざむ。 コーヒーの場合はこれを

    焦がしすぎないように焙煎する(乾煎り)

   5g = 水180mlで鍋で中火 10分煎じ、こして完成。

 

 おひたし・・・・利尿・胃をじょうぶにする。

  開花前のやわらかなところを軽く湯がく。

 

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幼児にも安心野草

屑(クズ)

 効能 

消炎・風邪・整腸・栄養補給・肩こり・二日酔い・タンをとる

マメ科  採取 花=8月~9月   根=3月、9月

無料イラスト 葛

 

誰もが食したことがあるであろう クズきりやクズ餅など、和菓子の

材料としてのクズ粉は、マメ科・ツル性植物のクズの「根」を原料と

しています。

 

クズ粉といえば、ショウガなどいくつかの生薬をまぜた「葛根湯」が

有名です。

 

クズ粉には、喉の炎症や筋肉のこわばりを和らげるイソフラボンがあり

風邪のひきはじめにはもってこい・・なので葛根湯が定番なのです。

 

中国の医学書によると紀元前200年ごろには薬として重宝しており

日本でも奈良時代には薬草として認知されていたそうです。

 

湯でとかすとトロリとするクズ粉は、ゆっくりと消化されるため

胃腸への負担も少なく、下痢や発熱時の水分補給に最適です。

「クズ」の画像検索結果

 

通常、生薬は幼児には飲ませないほうがいいとされていますが、

クズだけは例外で副作用の心配がないと報告されており、不調のとき

だけではなく、離乳食や介護食としても優れた食材です。

 

 薬効にあやかる 

 りんご葛湯・・・・下痢

  作り方

  ❶ 水(100ml)とクズ粉(大さじ1)を混ぜておく。

  ❷ りんご(半分)をすりおろす。(農薬は重曹で洗い流す)

  ❸ 鍋に①と②をいれよく混ぜ、弱火にかけて、ダマにならない

   ようにへらで混ぜつつ とろみがつき透明感がでたら完成

   レモン汁をかけると変色をおさえられる

 

 れんこん葛湯・・・去痰(タンをとりのぞく)

  作り方

  ❶ よく洗った れんこん(30g)を皮ごとすりおろす

   おろしショウガ(小さじ半分)・醤油(小さじ1)・クズ粉

   (小さじ強)・水(150ml)・れんこんのすりおろし①を

    鍋にいれよく混ぜる

  ❸ ②を弱火にかけ、へらで練りながら透明感がでてきたら完成

 

⚫ 葛の花湯・・・・二日酔い

  作り方

  花のつぼみをつけた晴れた日にこれを摘み、3日ほど天日干しにし、

  乾燥したら密閉容器に保存して、二日酔いのときこれを3gほど

  湯呑みにいれ、熱湯200mlを注ぐ、よく冷やしても美味しい

 

 ショウガ葛湯・・・肩こり

  作り方

   ショウガ(1片)よく洗い、皮つきですりおろすし、ガーゼ

   で絞り汁をつくる(小さじ1)

   小鍋に水(150ml)とクズ粉(大さじ1)をいれダマに

   ならないようよく混ぜる

   これを弱火にかけとろみがついてきたらハチミツ(小さじ1)を

   混ぜ、透明感がでたら火をとめ、ショウガの絞り汁を混ぜて完成

   *ハチミツ使用のため1歳以下の幼児には飲ませないでください

 

 

みんなの健康 頼れる薬草

蓬(よもぎ)

 効能 

肩こり・腰痛・神経 生理痛・冷え性・不眠・消炎・止血・胃もたれ

キク科  採取 3月~8月

「よもぎ」の画像検索結果

 

草餅の材料やすき焼きの具材としても、わたしたちの目と舌をよろこば

せてくれるヨモギ・・・鮮やかな緑色と、力強い香りで春を演出して

くれる野草です。

シネオールやツヨンという成分に由来するこの香りは、邪気をはらって

くれると信じられていて、端午(たんご)の節句(せっく)にショウブ

の葉といっしょに軒下につるしたり、屋根の上に放りなげたりするのは

そのなごりです。

ひな祭りで草餅をいただくのも、”ヨモギを食べると寿命が延びる”と

考えられていたためです。

日本では、乾燥させた葉っぱを入浴剤にする「ヨモギ湯」が、古くから

人々の疲れをいやしてきました・・・血行をうながし肩こり、腰痛

神経痛、冷え性、生理痛、ストレス、快眠なども香り成分からも

わたしたちの ミもココロ も助けてくれるのです。

「ヨモギ湯」の画像検索結果

乾燥させた葉の生薬名は、艾葉(がいよう)で、止めるという意味です。

その名のとおり、止血のくすりです・・・葉にふくまれるタンニンに

消炎・止血作用があり、農具でケガをすることがおおかった農業では

ヨモギを常備していたほどで、「艾葉」は6月~8月ごろの夏の葉が

力強い効能があり、数日のあいだ陰干しにしてつくられます。

また、内服薬としても優れていて、胃炎や胃もたれに実力を発揮します。

 

 薬効にあやかる 

 ヨモギ湯・・・・腰痛・神経痛・湯冷めしない

  作り方

   夏場のヨモギの葉を3日 陰干しにしてカラカラに乾燥させる

  ❷ 乾燥させた葉(100g)をネットにいれ、1.5リットルの

    お湯で10分間 煎じてこれを浴槽にいれて完成

 

 ヨモギ茶・・・・冷え性(血行促進作用)

  作り方

   4月~7月ごろのヨモギの葉を採取し、水洗い3日陰干し

   これを細かくきざみ、さらに2日ほど陰干しする

  ❸ できた茶葉(5g)を急須にいれ熱湯を注ぎ、3分で完成

 

 ヨモギの味噌汁・・冷え性が大

  血流をよくしてくれる味噌との相乗で、からだの中からあたたまる

  作り方

  ❶ べつにさっと湯がいてから、味噌汁にいれて完成

 

 ヨモギの青汁・・・胃もたれ

  作り方

   前と同じようにヨモギを乾燥させ、粉状にすりつぶす

   すりつぶして粉状にしたヨモギ(小さじ1)に熱湯200mlを

   注ぎよく混ぜれば完成 胃の疲れによく効く

 

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毒や膿をはねのける

雪下(ユキノシタ)

 効能 

中耳炎・かゆみ・湿疹・健胃(胃を強くする)・むくみ

ユキノシタ科  採取  年中

関連画像

 

 葉がトラの耳に似ていることから、虎耳草(こじそう)という生薬名が

つけられました。

 

不思議なことで、その効果も耳の不調に関係していて、この虎耳草なる

ユキノシタの青汁には、膿の原因となる緑膿菌をおさえる働きがあり

化膿性中耳炎の特効薬としてむかしの人々を助けてくれました。

 

耳垂草(みみだれそう)・耳草(みみくさ)といった呼びかたです。

 

 薬には解毒作用の強いベルニゲンという成分もふくまれ、かゆみや

湿疹をともなう皮膚疾患にもよく効きます。

 

冬でも枯れることなく、全国に分布し、繁殖力も旺盛で、かつては

いざという時のために、庭に栽培しておく風景がみられていたそうです。

 

 薬効をあやかる 

⚫ ユキノシタの貼り薬・・・かゆみ・湿疹

  5~6枚の葉っぱをガーゼにくるみ、汁がしみでるまでよく

  揉んだら、葉っぱをとりだしガーゼだけ患部に貼る

  年中 生えているのでキャンプなどのアクシデントで役に立つ

 

⚫ ユキノシタの胡麻あえ・・・健胃・むくみ

  葉を茹でて水にさらし、水分を取っあと 胡麻、醤油で和える

 

 

毎日 ひとかけ で医者いらず

蘆薈(アロエ)

 効能 

健胃(胃を強くする)・便秘・抗菌・ひび・あかぎれ・火傷・

切り傷・擦り傷・美肌・口臭

ススキノキ科  採取  年中 

アロエの無料イラスト | フリーイラスト素材集 ジャパクリップ

 

300種類以上もあるといわれるアロエのなかでもわたしたちが

薬として利用しているのは「キダチアロエ」というものです。

 

南アフリカが原産地で、古代エジプト、ギリシャ、ローマの人々が

万能薬として重宝していました・・・日本にはポルトガル宣教師に

よって伝わり、キリスト教の広まりとともに、日本全国に根付いて

いきました。

 

 明治時代にはいると、人々はアロエも「医者いらず」と呼びはじめ

さまざまな不調に利用するようになります・・・昭和のはじめには胃を

丈夫にし、便秘を改善してくれると、毎日ひとかけほどを生食する流行りが

おき、苦味成分のアロイン・アロエエモジンが胃壁を刺激し、胃の働きを

活発にしてくれるのです。

 

即効性は少ないものの、からだに無理なく吸収され、おだやかに効いて

くるので、負担がかかりません。

 

 葉汁には抗菌性があり、ひび・あかぎれ・やけど などはアロエで

十分です。

 

 薬効をあやかる 

⚫ アロエ湿布・・・火傷

  アロエの皮をむくとヌルヌルとした半透明の葉肉と汁を

  ガーゼにつつみ、患部にあてる

 

⚫ アロエの皮の絆創膏・・・切り傷・擦り傷

  3cmの葉をもんで皮をむき、傷口にあて絆創膏やテープ

  などで固定する

 

⚫ アロエ化粧水・・・美肌

  作り方

   アロエ(500g)を洗い、2cm幅に切る

  ❷ 広口ビンに①をいれ、ホワイトリカー35度(1.5リットル)

    を注ぎ(プラスレモン汁もOK)2ヶ月ほど冷暗所で保存

  ❸ こした②(80ml)、精製水(100ml)、グリセリン

    (20ml)を混ぜあわせ スプレー容器にいれて冷蔵庫

    に保管し使う・・・1ヶ月で使い切る

     * 原液は数十年と保存できる

 

⚫ アロエのマウスウオッシュ液・・・口臭

  強力な殺菌作用があるアロエシンが口臭を消す

  5cmほどのアロエをすりおろしたその汁で口をすすぐ

   アロエであればなんでも良い

 

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