エジプトでも北極星は不滅の星
四大文明の発祥地の１つでもあるエジプトでも独自の神々が
生まれ、星座や神話が作られ 残っています。
とくに、不滅の命を信じ、死は新たな人生の始まりであり
そのとき、神と融合して楽園で暮らせると信じて、ピラミッドや
ミイラを作った、古代エジプト人にとって、北の夜空に位置し、
時間や季節とともに位置を変えても決して地平線に沈まない
周極星は特別な存在だったようですです・・・・これらを
「滅亡を知らないもの」と呼んでいた。
これらの星がある「北」には、永遠があると信じられていて
紀元前1300年ころに作られたセティ１世王の墓の天上に
描かれた北の星座の図には、ワニを背負ったカバの姿
（トウェリス女神の姿）の星座や鷹の頭部をもった男性（ホルス）
星座、ワニの星座など、エジプト独自の星座が描かれています。
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その後、少しずつバビロニアやギリシャの星座が入り込み
紀元前１世紀に作られたデンデラのハトホル宮殿の天宮図には
牡羊座、天秤座、さそり座、山羊座など古代ギリシャから
やってきた黄道１２星座もいくつか描かれています。
ハトホル宮殿の天文図
しかし、ほかはエジプトらしい姿の星座もあり、たとえば
水瓶座は水が湧きだしている２つの花瓶をもつ洪水の女神ハピス
の姿となっています。
ここで、エジプトの星にまつわる物語を少し紹介しましょう。
エジプト星座のものがたり
イシス女神（ISIS)
古代エジプト人が おおいぬ座のシリウス（イシス女神）をとくに
重んじていたことは良く知られていて、シリウスが日の出直前に
東の空に姿をあらわすころ、ナイル川が増水することを知って
いたからです。
ナイル川はやがてあふれ、町や村を大洪水が襲ったあと、水の
引いた土地は肥沃な土が残され、豊かな農作物が育ち、これが
エジプト文明をささえていたのでした。
また、冬のオリオン座はたいへん目立つ姿をしているため、
さまざまな国で英雄や神々の姿に見られてきましたが、エジプト
ではオシリス神の姿に見ていたようです。
オシリス神
オシリス神は「太陽神ラー」と「天空の女神ヌート」の間に生まれ
地上に降りてきて国王になり、オシリスは、人々に大麦や小麦
葡萄、の栽培を教え、灌漑用水（かんがい）の整備をおこない、
法をもうけ神々を敬うよう導き、人々の尊敬の的となりました。
オシリスの弟セトはオシリスをねたみ、オシリスが辺境の地で
人々に農耕を教えている留守の間にエジプトを乗っ取ってしまい、
戻ってきたオシリスを暗殺すると、遺体をナイル川へと投げ込み
ましたが、妻のイシスはオシリスの遺体を探し出し、魔術の力
により生き返らせようとしましたが、身体の一部が見つからな
かったため、人間界に蘇ることはできず、死者の国の王に
なったといいます。
以後、オシリスは豊穣（ほうじょう）の神であり、死者の国の王
であり、永遠の命のシンボルとなりました。
冥界の王となったオシリス 右２番目
エジプト王ファラオは死ぬと空へ昇りオリオン座となって、オシリス神
と一体になり、その後、一般の人々も善人は死後は蘇り、オシリス神と
融合できると考えられるようになったといいます。
オシリス神の人気はさらに高まり、また女神イシスは乙女座に
なったといいます。
プレアデス星団はハトホルの星とも呼ばれ、ハトホル神は角のあいだに
太陽をあらわす円盤をもった お牛 あるいは太陽の円盤をつけた角を
もつ女神として描かれています。
古代エジプトでは豊穣の女神であり、妊婦の保護者、死者がオシリス神
の審判をうけるまでの間、死者を養う女神であり、生まれた子どもの
運命を予言する女神と考えられていました。
ハトホル女神は子どもが生まれると７つの姿（７人のハトホル）に化身
して子どものもとを訪れ、その子の運命を予言すると考えられていて、
その７人のハトホルをあらわしたのがプレアデス星団だとい言うわけです。
ハトホル女神は太陽神ラーの娘で神々の王ホルスの妻であり、
古代エジプトの人々に尊敬されていて、ファラオがホルスの化身なら
エジプト王妃はハトホル女神の化身と考えられていたといいます。
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