天の川で最も明るいところにある星座
射手座をさがす
さそり座の東、６個の小さな ひしゃく形にならんでいるのが
射手座の目じるしです。
これは北の「北斗七星」に対して、「南斗六星」と呼ばれています。
上半身が人で 下半身が馬の姿のケイローンが弓に矢をつがえた
姿になっていますが、矢のさきはサソリの心臓を狙っており、
サソリが夜空で暴れださないように、見張っているのだとも
いわれているそうです。
星座図の向きに見える時期
★ ４月中旬・・・・・５時
★ ５月中旬・・・・・３時
★ ６月中旬・・・・・１時
★ ７月中旬・・・・２３時
★ ８月中旬・・・・２１時
★ ９月中旬・・・・１９時
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解説
天の川は１年のうちで夏が１番、大きく明るい時期ですが
このなかでも、最も明るく幅が広い場所にあるのが、射手座です。
2000億個もの星の大集団である わたしたちの銀河系の中心が
射手座の方向にあるためです。
さそり座とともに、古くから存在する星座の１つで、アッシリアの
彫刻では、サソリの胴体をもった人が弓矢をひいている姿もあり
トレミーの星座の１つで、黄道１２星座の１つでもあります。
射手座ものがたり
半身半馬のケイローン
むかし、腰から下が馬の怪人たちがいて、彼らはケンタウルス族
と呼ばれ、ひどく乱暴で、野蛮な種族でした。
しかし、彼らの中で、ケイローンだけは、少し違っていて、彼は
ゼウス神の父である 時の神クロノスとニンフのフィリラとの間に
生まれた子どもでした。
クロノス神がフィリラに会いにいく時、妃である女神レイアの目を
ごまかすために馬に姿をかえていったことから、ケイローンは
上半分が人間で下半分が馬の姿で生まれたのでした。
ケイローンはたいへん賢く、アポロン、アルテミスの兄妹神に
愛され、アポロン神は音楽、医師、予言の力をケイローンに与え、
アルテミス女神は狩のしかたを教えました。
やがて、ケイローンはペーリオン山の洞窟に住んで、若い 後の
英雄となる者たちを つぎつぎに育てあげました。
怪力ヘラクレスに戦いの技を教えたのも、アポロン神の息子の
アスクレーピオスを名医に育てあげたのも、このケイローンでした。
その後、ケイローンは、マレア半島に移り住みましたが、この
ケイローンの家へ ある日 突然 ３人のケンタウルス族が
逃げ込んできて、そのワケはなんと、怪力ヘラクレスに追われて
いたのです。
実は、ヘラクレスが、友人のケンタウルス族のポロスのもとを
訪れたときのこと、そこで美味しそうな酒の瓶を見つけ、酒が
好きなヘラクレスは、早速 ポロスに酒を欲しがりました。
「ダメだ・・今 酒の瓶を開けると、たくさんのケンタウルスが
やって来てみんな呑んでしまうよ」
とポロスは断りましたが・・
「大丈夫だ・・俺がみんな追い払ってやるよ」
と、いってしつこく欲しがりました。
しかたなく酒を開けてあげると、ポロスの心配どうりたくさんの
ケンタウルス族が集まってきて・・
「俺達にも・・酒を呑ませろ」
と、大騒ぎになり、酒も入って勢いがついたヘラクレスは、弓矢を
たずさえると、騒いでいるケンタウルス族の中に踏み込んで、
つぎつぎとケンタウルス族を倒していきました。
彼らは、クモの子を散らすように逃げはじめ、その中の３人の
ケンタウルス族を追いかけて、マレア半島までやって来たのです。
ケンタウルスたちが１軒の家の中へ逃げ込んだのを見ると、ヘラクレスは
何も考えずに、矢を放ちました。
その矢は、扉を打ち破り、１人のケンタウルスの腕を貫き、なんと
この家の主人である、ケイローンの膝に突き刺さったのでした。
この光景を見て理解した、ヘラクレスは、真っ青になり、
「先生！」・・と叫びました。
ヘラクレスの矢にはヒドラの猛毒が塗ってあり、どんな怪物も
死んでしまうという、猛毒です。
たちまち、ケイローンは毒におかされ、苦しくもがき初めてま
したが、ケイローンは神の子で不死身のからだを持っていいるため
苦しんでも もがいても 死ねませんでした。
そこで、ケイローンの苦しみを見かねたヘラクレスは、神々の王
であるゼウスに祈り、ケイローンの不死身を解いてもらって
ケイローンはようやく苦しみかた開放され、静かに死の国へ旅立って
いきました。
ケイローンの死を惜しんだゼウス神は、ケイローンの姿を星座に
し、これが射手座なのです。
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