アダム・スミス 1723~1790
イギリスの経済学者。古典派経済の創始者と呼ばれ人です。
「道徳情操輪」で富裕層の利己的な考えが「神の見えざる手」に
よって、自然と国家が成長するとしています。
アダム・スミスの租税原理(道徳哲学者)としても有名。
♠ 神の見えざる手
人間は自分の利己的な考えで行動するが、他人の
共感を得ようと次第に気にするようになり、自然と
調和的な秩序が修正せれる。これが「道徳情操論」
すなわち
神の手
♦ 自由放任主義(レッセ・フェール)
国が市場に介入することなく、個人の自由な経済活動を
支援することが、本当の自由主義という(自由放任主義)
アダム・スミスは当時の絶対王政と結びついた重商主義を
労働価値説で批判しました。
♣ 著書『諸国富』または『国富論』(1776年)
お金の出どこは労働とし、重商主義(物々交換)も批判しました。
マルクス 1818~1883
(カール・マルクス)
ドイツの経済学者、哲学者、政治活動家。
マルクス主義として有名な思想体系で、のちの共産主義思想が基の
社会主義国家を打ち立てます。のち エンゲルスが引き継ぐことに・・
♦ マルクス主義
労働者階級をプロレタリアート・資本家階級をブルジョアジー
として、労働者が資本家から(見た)剰余価値(余分な利益)を
搾取されていると考えました。
このことから
ブルジョアジーを支配者・プロレタリアートを大衆として、
支配者が利益をつねに追求する先には、労働者は労働者のまま
あり続け、さらに経済格差などの社会を問題を生みだす原因は
ふえる一方であると唱えました。
♥ 弁証法的唯物論・史的唯物論
では、下部構造(生産など)によって上部構造(政治・宗教など)
が決まり下部構造が変化すれば上部構造も変化すると考えました。
さらに謀議的な史(たくらみ的)ではこの関係を一方方向に図式で
捉えたため、人間そのものを軽視・無視する傾向が広まったことで、
これはマルクス主義の負の遺産であり、ドイツ・イデオロギーに
見られた人間主義的なとはマルクスやエンゲルスの思想とは違います。
ドイツ・イデオロギーとは「保守の批判するより行動しろ」です。
歴史をたどっても生産力の発展が推進力であり、発展にそって
原始共産制~奴隷制~封建制~資本主義と社会が発展していく
唯物史観した資本主義により、社会が弁証法的に否定さらに否定
されて、やがて再び共産制にもどるというのがマルクス主義の
基本原理です。
史実・・・・この資本主義がブルジョアジーによる「搾取であり
疎外である」としたので、プロレタリアートによる暴力革命によって
共産主義に取って代わることが、ゆいつ社会問題を解決できると
考え, その運動は20世紀に活発になり、当時ソビエト連邦や
アジア・アフリカ・カリブ海域・東欧などに共産国が作られました。
しかしながら1991年のソビエト崩壊を中心にほとんどの共産国は
体制を変え、国家自体は維持したままの国もあれば、分裂して
独立した国家を樹立したところ、または近隣の資本主義国に吸収統合
という形で、共産主義体制ごと消滅したケースもあったようです。
♠ 著書 『資本論』『共産党宣言』『経済学批判』『経済学・哲学草案』
ケインズ 1883~1946
(ジョン・メイナード・ケインズ)
20世紀最大の経済学者。イギリス
♠ 自由放任主義の考えでの完全雇用が自動的に生まれるという
理論を批判し、完全雇用の達成に関わる政府の役割を
強調。自由放任経済の終わりを打ち出し、いまの経済政策に
大きく影響しています。
♣ 有効需要論・乗数理論・流動性選好説を軸とする
「雇用・利子および貨幣の一般理論」により、失業と不況の原因を
明らかにして完全雇用達成の理論を提示し、のちにケインズ革命と
よばれる近代経済学の変革をもたらしました。
また当時からの同性愛者でした。(公開している)
♥ 著書『雇用・利子および貨幣の一般理論』
「平和の経済的帰結」「貨幣改革論」「貨幣論」
理想の経済学者論―ケインズ
「ある程度まで数学者で、歴史学者で、哲学者で政治家でも
なければならない。
彼は記号もわかるし、言葉も話さなければならない。
彼は普遍的な見地から特殊を考察し、抽象と具体とを同じ思考の
中で取り扱わなければならない。
彼は未来の目的のために、過去に照らして現在を研究しなければ
ならない。人間の性質や制度のどんな部分も、全然彼の関心の
そとにあってはならない。
彼のその気分において目的意識に富むと同時に公平無私でなくては
ならず、芸能家のように超然として清兼、しかも時には
政治家のように世俗に接近していなければならない」
(ケインズ・マーシャル伝)
シュンペーター 1883~1950
(ヨーゼフ・シュンペーター)
オーストリアの経済学者。 ケインズと同じ年に生まれる。
ドイツ・ナチスが派生したあと、アメリカへ移住しています。
晩年のシュンペーターは「資本主義はその失敗によって滅ぶ」
とマルクス説に対峙する言葉を好んで語っていました。
♠ 資本主義は創造的な企業のイノベーションによって発展する。
または、創造的な破壊が経済の発展をもたらすという意味で、
未知の「スティーブ・ジョブスの成功」を予言していたと、
現在メディアで称賛されています。
いわば、少し早すぎの、天才経済学者なのです。
♣ 著書 『理論経済学の本質と主要内容』
『資本主義・社会主義・民主主義』
フリードマン 1912~2006
(ミルトン・フリードマン)ノーベル経済学賞受
アメリカの経済学者。
♦ 国家の経済への干渉をなくし
自由市場を推奨するシカゴ学派(シカゴ大学)の
経済理論の継承者。
80年以降の西側世界の新自由主義にもとづく規制緩和政策に
影響をあたえ、ケインズ的な経済政策の失敗を主張しました。
♥ マネタリズム・・・政府が一定の割合で通貨の発行を
ふやすことにより経済は発展するというマネタリズムを
提唱しました。これは政府の財政政策だけでなく、
金融政策をも否定することになったようです。
関連 QE・ヘリコプターマネー
♣ 著書 『実証的経済学の方法と展開』『選択の自由』
まとめ
市場の原理原則を「神の見えざる手」にたとえて、半自由放任(道徳情操論)を
主張したアダム・スミス先生。
後、完全雇用をめざすよう、(公共事業など)国が市場に介入することで経済は
発展すると主張したケインズ博士。
そのケインズの貨幣一般理論を批判し、新たにスミスの自由主義に焦点をあてた
「新自由主義」を提唱した、フリードマン卿。
このミルトン・フリードマン氏の理論が、現在の経済市場です。
人間にとって何よりも大事なことは自由である、と
またマネタリズムの中で政府が行なうべきは、
世の中の流れるマネーの量さえコントロールしていれば
世界経済は正しく機能すると主張しました・・・・
しかしながら
今まさに世界中で混乱が起きています。
専門家も、これからは、見たことも聞いたことも無い事態が訪れると警鐘を
鳴らしています。 今後どうなるか、分からないとのこと
ではどうすればいいのか?
と、いった質問に対する答えは無いように思えます。
まえに述べた、
スミス~マルクス~ケインズ+シュンペーター~フリードマンの
流れのループでしかない世界で。
こうなったら、自分はこうすると準備をして(心でも物質でも)いたほうが
いいのかも知れません、米大統領クラスにでもなれれば別の話ですが・・・