牡牛座をさがす
冬の代表的な星座ですね。
冬 宵のころ、南の空たかく、赤く、輝き、1等星アルデバランが
牡牛座の目しるしです。
ここから小さなV字形に星がならんで、牡牛の顔を形作ります。
これはヒヤデス星団と呼ばれる星の群れです。
その、右うえ方向にいくつかの星が小さく集まって見えるのが
プレアデス星団(すばる)で、牡牛の肩に位置します。
この星座は、牡牛の上半身だけが描かれた星座です。
星座図の向きに見える時期
★ 9月中旬・・・・・5時
★ 10月中旬・・・・・3時
★ 11月中旬・・・・・1時
★ 12月中旬・・・・23時
★ 1月中旬・・・・21時
★ 2月中旬・・・・19時
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解説
シュメール時代に誕生した古い星座の1つです。
古代ギリシャでは、牡牛座そのものより、ここにある肉眼でも
見ることのできるプレアデス星団・ヒヤデス星団のほうが有名
だったらしく、紀元前850年ころのギリシャの詩人ホメーロスは、
2つの星団の名だけを 自身の詩の中で大いに謳っています。
1つでもあります。
牡牛座ものがたり
恋多き神 ゼウス
フェニキアの王女エウロパはとても美しく、その姿をひと目みた
神々の王ゼウスは、王女エウロパに恋をしてしまいました。
春のある日、エウロパは侍女たちと野原へでかけ、そこには
さまざまな花が咲きみだれ、甘い香りもただよっていました。
エウロパは花を摘んで冠や首飾りをつくったり、花の中で
戯れていました。
そのようすを見ていたゼウス神は雪のような純白な牡牛に
姿を変えて、そーっと 野原にあらわれ、いつのまにかそばに
牛がいることに気づいたエウロパたちは、はじめ驚きましたが、
見れば 牛はとても美しく、眼は優しそうに澄んでおり、
おとなしそうに見えたので、エウロパは、そっと牛を撫でて
見ました。
当然ながら、牛は気持ちよさそうに撫でられています。
ゼウス神が恋したエウロパなのですから・・
それを見た 侍女たちも、牛を撫ではじめて・・やはり
牛はうれしそうです。
すっかり、気に入った侍女たちは、牛に花の首飾りをつけたり
花の冠をのせたりして遊びはじめ、美しく飾られた牛に、
エウロパはそっと またいでのってみました。
侍女のひとりが
「女王様・・あぶないですわ」
と、心配して声をかけましたが、エウロパは気にもとめず
野原の中をゆっくりと、牛を歩かせていきました。
ところが、海辺に着いたとたん、突然ものすごい勢いで海の中へ
駆け込んでいったのです。
「たすけてー!」
すでに、海の深いところまで、入ってしまい、エウロパは降りよう
にも降りることができず、悲鳴をあげながら、牛にしっかりと
つかまっているしかありませんでした。
海岸線で泣き叫ぶ侍女たちの姿がみるみる小さくなっていきます。
そこへ、エウロパをのせた牛のまわりに、いつのまにか、海のニンフ
たちが集まり 舞いながらついていき、イルカやさまざまな
海の生きものが、まるであいさつをするかのように、つぎつぎに
海から姿をあらわしました。
エウロパは、この牛は神様の変身した姿に違いないと悟り・・
「あなたは どなたですか?」
と、エウロパが問いかけると、牛は澄んだ声で応えました。
「わたしは、神々の王ゼウスだ・・恐れることはない
愛ゆえに・・こんな姿でおまえを迎えに来たのだ」
ゼウス神は、自身の生まれ故郷である、クレタ島へエウロパを
連れていって、ここで2人は結婚をしたのでした。
ゼウス神はその記念に自分が変身した牡牛の姿を星座にし
牡牛座が誕生したのです。
2人のあいだには、3人の息子 ミノス、ラダマンティス、
サルペードーンが生まれ、ゼウス神が天上へ去っていったあと
エウロパはクレタ島の王アステリオスと結婚し、幸福な一生
を過ごしたといいます。
ゼウス神とのあいだに生まれた3人の息子たちは、アステリオス王
の養子として迎えられ、ミノスはのちにクレタ島の王となり、
ラダマンティスは公正で正直な立法者としてギリシャに名を
とどろかせ、いたるところから そこの王たちが法律を学びに
やって来ました。
ミノスとラダマンティスは、死後、英雄たちだけがいけるという
楽園エーリュシオンの野に住み、大神ゼウスによって、死者が
善人であったか悪人であったかを裁く冥界の裁判官に任命された
と、いいます。
また、末っ子のサルペードーンはリュキア国をおこし、300年に
わたって生きることを許されたと伝えられています。
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