少しわかりずらい魚座
暗い星がほとんどで、あまり目立たないので、なれないと
見つけることがちょっと難しいかも知れません。
ペガススの大四辺形の東の辺と南の辺にそって、星が巨大な
「く」の字に連なっているのが魚座です。
リボンでしっぽをつながれた２匹の魚の形になっています。
星座図の向きに見える時期
７月中旬・・・・・５時
８月中旬・・・・・３時
９月中旬・・・・・１時
１０月中旬・・・・２３時
１１月中旬・・・・２１時
１２月中旬・・・・１９時
解説
魚座も山羊座・水瓶座と同時にシュメール時代に誕生した、最も
古い星座の１つです。
バビロニア・アッシリア時代には、人魚と魚の尾をもったツバメが
ひもで結ばれた形をしていました。
トレミーの４８星座の１つで、黄道１２星座の１つでもあります。
地球上の位置をしめすのに経度・緯度がつかわれるように、星の
位置をしめすには赤経・赤緯がつかわれます。
その原点（赤経０度・赤緯０度）の春分点が、現在 この星座に
あり、春分の日３月２１日、太陽は魚座で輝きます。
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魚座ものがたり
リボンでつながれた女神と息子
ある日のこと、あまりに良い天気なので、神々はオリンポス山に
ある宮殿からでて、ナイル川のほとりで宴会を開きました。
太陽と音楽の神アポロンがたて琴を奏で、音楽の女神ミューズが
踊りを舞、宴会は大いに盛りあがりました。
そのとき、突然 なま温かい風が吹きはじめ、ものすごいうなり声が
聞こえてきました。怪物テュフォンが姿をあらわしたのです。
テュフォンはゼウス神の祖母にあたる、大地の女神ガイアが
生み出した最強の怪物でした。
ガイア女神は、ゼウス神にかわいい息子たちをたくさん殺された
ために怒り、ゼウス神に復讐することを目的に、テュフォンを
生みだしたのです。
テュフォンは天までとどくほどの身の丈があり、巨大な翼は太陽
の光をおおい隠し、足が大蛇で、そのたくましい肩からは100匹の
蛇と邪神の頭が生え、鋭い目からは、火を噴き、その口からは
燃えあがる岩石を吐いていました。
叫び声は天地をふるわせ、吐く息は 我慢できないほど嫌な臭いが
していました。
そのあまりにも不気味で恐ろしい姿に神々は先を争って逃げ出しました。
ゼウス神も鳥となって大空に舞いあがり、ヘーラ女神は雌牛となって
逃げ出し、アポロン神はカラスに、 ディオニュソス神は山羊、
アルテミス女神は猫、 アレース神はイノシシに、 愛と美の女神
アフローディテと その息子のエロスは魚に変身し、川に飛び込んで
しまいましたが、そのとき はぐれないように、しっかりと身体を
リボンで結んでいました。
＊あとで、その姿を思い出しておもしろがったゼウス神が
その姿を星座にしました。
それが、うお座 なのだそうです。
さて
ゼウス神は一度は逃げ出したものの、娘である知恵の女神アテネ
だけが怪物のまえに立ちはだかって戦おうとしていました。
それを見た、父ゼウス神は娘に後れをとっては一大事と思い
なおして、雷（いかずち）を手にもつと勇敢に怪物に立ち向かい
ました。
ゼウス神の雷とテュフォンの吐きだす炎があたりを焼きつくし
激しい戦いに大地はふるえ、海は大きく波打ちました。
ゼウス神は、全身の力をふり絞っテュフォンに向かい、雷鳴と
稲妻と燃えさかる雷を投げつけました。
ゼウス神のあまりにも激しい攻撃に、さすがのテュフォンもひるみ
一目散に逃げ出しました。
ゼウス神は、その後を追いかけ、トラキアのハイモス山まで
きたとき、テュフォンは、くるりときびすを返し、山脈 全部を
持ち上げて、ゼウス神めがけて投げつけました。
しかし、ゼウス神は、すかさず雷を投げつけましたので、
山々はテュフォンの方に跳ねかえり、山脈がぶつかった
テュフォンは重症を負ってしまいました。
それでもテュフォンは逃げつづけましたが、南のシチリア島
まできたとき、ゼウス神は巨大な山を持ち上げると、
弱っているテュフォンめがけて投げつけ、その下に閉じ込めて
しまったのです。
こうしてできたのが、シチリア島のエトナ山です。
エトナ山がときどき噴火をするのは、テュフォンが山の下
で大暴れしているからだそうです。
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